外国為替相場の急激な変動が経済に与える悪影響を緩和することを目的として、各国の通貨当局が協調して外国為替市場で通貨の売買を行うこと。2011年3月11日に東日本大震災が発生した後、投機筋が意表をついたドル売り円買いに一斉に走ったことにより、3月17日に円の対米ドル相場は一挙に76円25銭まで急騰し、1995年の既往最高値79円75銭を大幅に更新した。18日には先進7カ国(G7)が緊急の財務相・中央銀行総裁会議を開催して、10年半ぶりに協調介入が実施された。8月に入るとアメリカ議会で債務上限引き上げをめぐり与野党が対立したのをきっかけに再び円が急騰したため、財務省と日本銀行は8月4日に日本単独での為替市場介入に踏み切ったが、その効果は限定的であり、8月19日には円の対米ドル相場は75円95銭を付けて最高値を更新した。さらに、10月下旬には、ギリシャの救済策が紛糾する中で逃避的な円買いが進んで、10月31日には75円32銭と最高値を更新したため、同日に財務省と日銀は日本単独で2011年に入ってから3回目の介入を実施した。