2011年8月に東京穀物商品取引所(東穀取)および関西商品取引所(関西商取)で試験上場された米(コメ)の先物取引(将来時点における売買を約束する取引)。日本の米先物取引は、1730年に江戸幕府が大阪の堂島米会所を公認したのを嚆矢(こうし)とするものであり、堂島米会所では、正米(しょうまい 現物)と帳合米(ちょうあいまい 先物)の取引が並行して行われた。米先物取引は、210年間にわたって継続された後、戦時統制下の1939年に取引が停止され、そのままになっていた。したがって、2011年の試験上場は、72年ぶりの米先物取引復活ということになる。米先物取引の具体的な内容は、呼び値は60キロ(1俵)単位、限月は6限月まで、売買は6000キロ(100俵)単位などとなっている。米先物取引の復活の理由は、かねてより売買高が不振であった東京穀物商品取引所などの生き残り策といわれており、米流通の最大手である全農グループなどは、米先物取引への参加に消極的である。なお、東京穀物商品取引所は、米先物取引の試験上場が7月に決定されたのと同時に、11年初から進められていた東京工業品取引所との統合を白紙撤回した。