従来は米ドルを仲介させていた日本円と中国人民元との交換を直接行う取引。2012年6月1日から日本の3メガバンクと中国の大手銀行の間で円元直接取引が開始された。東京市場では、取引に参加する銀行が円元の交換レートを提示しあい、それに基づいて売買が実行される。一方、上海では中国外貨取引センターが複数の銀行を選び、それら各行が提示した交換レートの平均値を公表した上で、その平均値に基づいて売買が実行される。円元直接取引の開始後も、当面は米ドルを仲介した取引が中心となろうが、長い目でみれば直接取引が拡大することによって、企業や個人にとっては円元の両替手数料が低下すると期待される。また、銀行にとっては元建て預金・債券などの金融商品を取り扱いやすくなる。なお、外国為替取引業者大手のセントラル短資FXは、12年7月2日から現物の人民元を対象とした「人民元・円」取引を開始した。