地震、津波、台風、洪水など大災害の発生リスクを取引する債券。償還期限までに大災害が発生しなければ投資家は元本と利息を受け取るが、あらかじめ設定されたトリガー条件を満たす大災害が発生した場合には、発行体は元本の償還を免除される。1990年代にアメリカの保険会社がハリケーンによる保険金支払いリスクを証券化したのを嚆矢とする。日本の保険会社は、2011年の東日本大震災、12年のタイ洪水など大災害が頻発したことに伴い、保険金支払いリスクを軽減する狙いで利用している再保険の料金が高騰したため、再保険の代替的な手段として大災害ボンドの発行を増やしている。たとえば、12年2月にJA共済連が発行した日本全域の地震リスクをカバーする「Kibou」、同年夏に東京海上日動火災が発行した台風の上陸リスクを証券化した「Kizuna」などである。大災害ボンドはハイリスク・ハイリターンの金融商品であり、グローバルに展開する機関投資家などによって購入されている。