買い物の際に購入代金がすぐに預金口座から引き落とされるカード。銀行などが発行するキャッシュカードにデビット機能をつければ、加盟店での買い物の際に暗証番号を入力することで直ちに代金が引き落とされる。日本では、2000年にJデビット(日本デビットカード推進協議会運営)がサービスを開始し、約1200の国内金融機関がキャッシュカードをそのまま使用する形で導入しているが、加盟店数は国内約45万カ所に限られているため、従来においてはさほど利用されていなかった。一方、世界的にみてデビットカードの代表的存在であるVISAデビット(世界約3600万カ所のVISA加盟店で利用できるデビットカード)は、12年末時点において全世界で20億枚超といわれている。日本では、06年1月にスルガ銀行が初めてVISAデビットを導入し、11年までに楽天銀行、ジャパンネット銀行、りそな銀行の3行、13年には三菱東京UFJ銀行、あおぞら銀行などもVISAデビットを導入した。これに対抗してカード大手のJCB(国内約830万カ所、海外約1630万カ所の加盟店)もデビットカード事業への参入を進めており、14年には千葉銀行などが採用を決めている。今後は日本でもデビットカードの普及によって、消費者のキャッシュレス化(現金離れ)の動きが加速される可能性がある。