高齢者の資産を若年層に移転させるとともに教育・人材育成を狙いとして、2013年度税制改正において導入された「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」(15年末までの時限措置)に基づいて新たに設けられた信託。孫等(受益者)の教育資金として祖父母等(委託者)が信託銀行等(受託者)に金銭等を信託した場合に、1500万円を限度として贈与税が非課税になる信託制度である。贈与税が非課税となる教育資金の範囲は、幼稚園から大学までの学校等の入学金・授業料・学用品等への支出、および、学習塾・予備校などの謝礼・教材費等への支出である。ただし、後者については、500万円が上限とされている。同制度を利用する上での主たる注意事項としては、委託者は受益者の直系尊属であること、信託期間は受益者が30歳に達した日(それ以前に死亡すれば死亡日)に終了すること、信託期間が終了した時点での残金には贈与税が課されること、などがあげられる。なお、銀行の普通預金口座(教育資金贈与非課税口)などによっても、同様に教育資金贈与非課税制度の適用を受けることができる。