日本の国民一人ひとりに「マイナンバー」と呼ばれる12桁の番号を割り当て、同番号によって年金や税などの個人情報を管理する制度。政府によれば、(1)複数の行政機関の間での重複削減による行政サービスの効率化、(2)年金保険料未納や脱税の防止などによる公平・公正な社会の実現、(3)添付書類の削減などによる国民の利便性の向上、を狙いとしている。2015年10月には、住民票を有する国民全員にマイナンバーが通知され、16年1月から社会保障(年金、雇用保険、医療保険など)・税・災害対策の各分野における行政手続きでマイナンバーの利用が開始される。また、金融機関の預貯金については、当面マイナンバーは付されないものの、政府は脱税など不正行為の防止を狙いとして、18年から任意での登録を金融機関に呼びかける方針であり、さらに、21年以降には義務化の是非を検討する予定である。政府にとって長年の課題であった個人金融資産の一括捕捉が視野に入ってきたといえよう。