政府出資を中心に民間も一部を出資して政策目的にかなった投資を行おうとするファンド。安倍晋三内閣が2013年6月に閣議決定した日本再興戦略の中で示された3つのアクションプラン(産業振興プラン、戦略市場創造プラン、国際展開戦略プラン)を推進する役割を担う。具体的には、産業革新機構(09年7月設立、投資枠2兆800億円、経済産業省所管)、地域経済活性化支援機構(13年3月設立、投資枠1兆円、内閣府ほか所管)、農林漁業成長産業化支援機構(13年2月設立、投資枠318億円、農林水産省所管)、民間資金等活用事業推進機構(13年10月設立、投資枠3187億円、内閣府所管)、海外需要開拓支援機構(13年11月設立、投資枠375億円、経済産業省所管)などがある。官民ファンドの設立は、民間活力を向上させる起爆剤の役割を期待されてのものであるが、本来民間に委ねるべき分野に政府が介入しすぎとの批判がある。また、各省庁の縄張り争いから役割の重複した官民ファンドが乱立する弊害にも注視を怠れない。