信託銀行などが、依頼者に遺言書の作成支援や保管サービスを提供するほか、依頼者が亡くなった後は遺言実行のための手続きを執り行う信託契約。遺言書の作成に当たっては、財務コンサルタントなどの専門家が依頼者の希望や家族関係に配慮した遺言書原案を示して協議し、依頼者の合意を得た上で、公証役場に行き公証人に公正遺言証書を作成してもらう。証書作成後は、信託銀行などが遺言書の保管・管理にあたり、定期的に依頼者に対して照会を行うとともに、遺言書を書き換えたい場合にサポートをしてくれる。また、依頼者が亡くなった後は、遺言者に代わって相続人への連絡や相続財産の名義変更などの一連の手続きを行う。遺言信託の手数料は、公正証書作成時点における基本手数料、毎年の保管料金、および相続発生時の遺言実行報酬からなる。このうち最も高額なのは相続財産が増えるにつれて高くなる遺言実行報酬であり、通常は最低報酬額でも100万円以上、相続財産が数億円であれば数百万円かかる。