自国で発行したキャッシュカードやクレジットカードを使って海外の現金自動預け払い機(ATM)で現金を引き出せる金融サービス。マスターカードが運営する「シーラス(CIRRUS)」とビザカードが運営する「プラス(PLUS)」などを使って世界各国のATMから現金を引き出す流通網が発達している。一方、日本の金融機関で「シーラス」や「プラス」に対応したATMを設置しているのは、2014年末現在でゆうちょ銀行、セブン銀行、新生銀行のほか、シティバンクなど外資系に限定されている。このため、外国人観光客からは、日本ではほとんどのATMで自国発行カードを使って現金を引き出せないことに対して不満の声が多い。2020年の東京オリンピック・パラリンピックで日本を訪れる外国人客が大幅に増加すると見込まれることから、みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行の3メガバンクもようやく事態の改善に向けて動き出し、海外発行カードに対応できるATMを15~16年にかけて100~1000台の規模で導入・拡充していく方針である。