日本の居住者が海外に保有する動産・不動産や預貯金などのこと。所在地が海外である動産・不動産や、海外にある金融機関に預けている預貯金などが、国外財産とされる。なお、外資系金融機関の日本国内支店に預けている預貯金(外貨建てを含む)などは、国外財産ではない。相続税・贈与税がかからないシンガポールなどで富裕層を中心に課税逃れを狙いとした国外財産の保有が増加しているため、国税当局は、2013年の所得に対する確定申告から、年末時点で5000万円を超える国外財産を保有する日本の居住者は、翌年3月15日までに国外財産調書を提出しなければならないとする制度をスタートさせた。虚偽記載や不提出に対しては、罰則が科せられる。16年10月の国税庁発表では、国外財産調書の提出者は8893件、財産総額は3兆1643億円である。国外財産の相続・贈与については、現行税制では被相続人・相続人(典型的には、親子)ともに海外に移住して5年超であれば、課税対象外とされているが、17年度の税制改革において当該期間が10年に延ばされる予定である。