株式の所有を通じて他企業を支配・コントロールする会社のこと。ここで他企業を支配・コントロールすることは、他企業の事業活動の主要な項目に干渉し、その決定に影響力を行使することを意味する。持ち株会社には大きく分けて、事業持ち株会社と純粋持ち株会社がある。前者は持ち株会社が株主として傘下にある子会社を支配・コントロールしつつ、持ち株会社自体も事業活動を行うタイプである。後者は持ち株会社が株式を保有し、傘下企業を含めたグループ全体の経営資源の再配分や事業評価のみを行う事業形態であり、1997年に設立が解禁された。純粋持ち株会社ではグループ全体の価値を最大化する経営戦略が、傘下企業では当該事業領域の事業戦略に特化した意思決定が可能になるとされており、組織の独自性と自立性をより追求した形態といえる。持ち株会社の財務諸表はその資産の多くが投資株式となり、また収益の多くは子会社からの受取配当金になるため、当該グループの事業内容が把握しづらくなる。そうした問題を解決するためには、より透明性の高いディスクロージャーの整備が必要不可欠である。