子会社株式の保有比率を100%に引き上げること。グループ連結経営を推進する一環として、ソニー、松下電器産業(現パナソニック)などの多くの日本企業が上場子会社の完全子会社化を実施している。近年では、事業領域の重複による非効率や、親会社と少数株主との利益相反といった問題を解決するため、コア事業を手がける上場子会社の株式を100%取得することで、グループ全体での価値最大化をめざす企業が増加している。完全子会社化は、株式交換制度が整備されたことで実行が容易になった。また、アメリカなどで発行・公開されているトラッキング・ストック(tracking stock TS 企業内の特定事業部門の業績に対応して配当を支払う株式)に類似した子会社連動配当株の発行により、完全子会社であっても上場企業と同様の資金調達を行うことができるようになっている。