知的財産には特許権、意匠権、実用新案権、商標権などの法的な知的財産権だけでなく、ブランド、技術、ノウハウ、人的資源、組織資本など貸借対照表に計上されない無形資産が含まれる。21世紀に入り、企業価値の決定因子が有形資産から無形資産へシフトしたことなどを背景として、企業の無形資産の測定・開示に対する関心が高まっており、2004年1月に経済産業省が「知的財産情報開示指針」を公表して以降、知的財産に関する情報を知的財産報告書などで投資家やアナリストに提供する企業が増加している。その後、05年10月には「知的資産経営の開示ガイドライン」が公表され、知的財産報告書による情報開示が提案されている。