年功や経験年数ではなく、業務に取り組むことによって生じる結果やそれまでに至る過程に着目して、人事評価をする制度である。日本企業では、長い間就業年数を昇給・昇進の基準とする年功主義を採用してきたが、企業間競争の激化によって、成果主義へと変わりつつある。たとえば、富士通は幹部社員に年俸制を適用すると同時に、幹部社員層より一つ下の主任層を中心に、Specialty(専門性)、Performance(成果)、Intelligence(知性)、Responsibility(責任)、International(国際性)、Tomorrow(未来志向)のそれぞれの頭文字を並べて「SPIRIT」と名づけられた勤務制度を導入した。しかし、一般論として、現状は、何をもって成果とするか、明確に定義することが難しいので、評価方法に試行錯誤している。また、成果主義を導入することで個人成績を追求する傾向が顕著になり、部分最適化が助長されるとの短所も指摘されている。最近では、成果主義を過去に導入したにもかかわらず、廃止して定年制を復活している企業もある。例えば、日本マクドナルドは、経験豊かなベテラン社員が自身の成果をあげることを優先し若手社員の育成が疎かになってしまったことを理由に、2012年1月より60歳定年制を復活することとした。