監査証明業務を組織的に行うことを目的として、公認会計士法の定めるところにより5人以上の公認会計士が共同設立した法人をいう。法人化することで、現代の大規模企業に対応できる人的・物的基盤を確保することが容易となる。原則として、監査法人の社員は、すべて業務を執行する権利を有し、義務を負い、その債務に対しては無限連帯責任制がとられているが、公認会計士法の改正により、監査証明業務を行った社員（指定社員）のみが無限責任を負うとする指定社員制度が採用され、限定的に有限責任とすることが可能となっている。さらに、2008年4月以降は指定有限責任社員のみが無限責任を負担する有限責任監査法人と呼ばれる法人形態が認められるようになった。現在、日本では有限責任あずさ監査法人、新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、あらた監査法人がビッグ4とよばれる海外会計事務所と提携して国際的規模の監査業務を行っており、国内上場企業の8割以上を監査している。