財務諸表作成に関する責任は経営者にあり、監査意見の表明に関する責任は監査人にあるという責任分担原則をいう。ここで、財務諸表に関する経営者の責任とは、経営者が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って、適正な財務諸表を作成する責任を負うことを意味し、監査意見の表明に関する監査人の責任とは、監査人が一般に公正妥当と認められる監査の基準に従って監査を行い、それに基づいて表明した監査意見に対して責任を負うことを意味する。「自己監査は監査にあらず」といわれるように、監査の信頼性は独立の第三者によって行われることで初めて担保される、という考え方が基礎となっており、監査の性質を理解する上で非常に重要である。