従業員の退職後に一定期間または生涯にわたって一定の金額を分割して支給するもので、退職給付の一種。将来の給付額が確定しているものを確定給付型とよび、これまで日本では多くの企業年金制度で採用されていた。通常、母体企業とは別に企業年金基金が設立され、その基金に必要な掛け金が拠出される。基金は、資産運用を行いながら将来必要となる給付額を積み立てていく。代表的な制度としては、税制適格年金(税制上の優遇措置が認められている)や、厚生年金基金(公的年金の一部を代行するため優遇措置が認められている)がある。しかし、バブル崩壊後、運用利回りが悪化したため、将来の給付原資となる年金資産を確保できない企業年金基金が相次いだ。確定給付型では積立不足分を母体企業が補てんしなければならないが、企業側がその負担に耐え切れず、基金を解散するケースが増大した。こうした状況を受け、近年企業にとってのリスク負担が小さい確定拠出型年金(決められた基準に従って掛け金の拠出を約束する制度で、日本版401kとよぶこともある)への移行が進んでいる。また、確定給付年金制度と確定拠出年金制度の両方の性質を併せ持つハイブリッド型の年金制度もある。なお、税制適格年金制度は2012年3月より廃止されることとなった。