キャッシュ化速度は、棚卸資産回転日数と売上債権回転日数を足したものから、仕入れ債務回転日数を引いて算出される。通常、企業は原材料等を仕入れて、それを加工し、販売して現金を回収する。この一連のサイクルが完了するまで、現金は棚卸資産あるいは売上債権に姿を変えている。このサイクルが長ければ長いほど、多額の運転資本(現金)が必要となる。つまり、同じ売上高をあげている企業であっても、キャッシュ化速度が他方より長ければ、営業から獲得するキャッシュは少なくなるのである。松下電器産業(現パナソニック)は2000年前後から始まった経営改革において、同指標を重視指標の一つにあげていたといわれている。08年4月には東芝も同様の考え方を経営に取り入れたと報道されている。