債務のうち、いまだ現実に債務として確定していないものではあるが、将来において一定の事象が生じた場合に、当該企業の負担となる可能性のあるような債務のことをいう。偶発債務の例としては、手形遡求義務、債務の保証、重要な係争事件にかかわる損害賠償義務などによって生じる債務が挙げられる。万一、偶発債務が現実の債務になった場合、企業に損失と負債をもたらし経営成績と財政状態に影響を及ぼすこともある。そのため、会計上でも適切な対処が必要となる。財務諸表における偶発債務の取り扱いには、引当金を設定すべき場合と注記によって開示すべき場合の2通りがある。