イギリス企業財務報告評議会(Financial Reporting Council)が、イギリス企業株式を保有する機関投資家向けに策定した株主行動に関するガイドラインをいう。2010年に7月に公表され、12年9月に改定された。スチュワードシップ・コードは資産運用を受託する機関投資家が、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な「目的を持った対話」(エンゲージメント)などを通じて、当該企業の企業価値の向上や持続的成長を促すことにより、委託者の中長期的な投資リターンの拡大を図ることを目的としている。これにより委託者の利益を実現するとともに、企業の長期的成功を促し、ひいては経済全体を活性化することが期待されている。スチュワードシップとは管理者の心掛けという意味を持つ。なお、スチュワードシップ・コードは法令とは異なり法的強制力を有する規範ではない。近年、金融庁は機関投資家が適切に受託責任を果たすための原則を策定することを目的に「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」を設置した。当検討会は13年12月に「「責任ある機関投資家」の諸原則(案)」を公表し、日本版スチュワードシップ・コードが策定される予定である。