年金基金や生命保険会社、投資信託など、有価証券の運用を専門的に行う機関。自ら市場参加者として投資を行う場合(自家運用)と投資顧問会社や信託銀行など資産運用会社を通じて市場に参加する場合(委託運用)がある。資産運用会社自身も、広義では機関投資家の一つである。機関投資家の資産運用では、プロのファンドマネジャーが投資意思決定を行うため、高度な情報収集や分析に基づく投資判断が可能である。また、資産規模が大きく投資分散が容易であるため、効率的な運用が実現する。このため、機関投資家の市場における存在が大きくなる機関化現象が進むと、市場全体の効率性が高まる。日本でも、近年、株式持ち合い解消や年金資産運用の多様化が進み、機関投資家の役割が重みを増している。また、ときには株式売買の半分を占める外国人投資家は、ほとんどが機関投資家である。大口株主として上場企業の経営監視を行う機関投資家のコーポレート・ガバナンス機能も重みを増している。