詳細な準則(規則、rule)ではなく一般的な原理(原則、principle)に基づいて規制を行おうとする考え方。日本では、1996年に打ち出された金融ビッグバン以降の制度改革で、自由化・規制緩和が進んだ半面、金融機関に対する検査・監督が厳格化され、細かなルール違反ばかりが過度に指摘されているといった見方がある。また、ルールの解釈が検査の現場などで恣意的に行われているといった不満もみられる。他方、ライブドア事件や村上ファンド事件に典型的に表れたように、ルールの不存在を盾にとって、市場の倫理に反する、明らかに不公正な行為を正当化しようとするといった傾向もある。そこで、詳細なルールを補完する一般的なプリンシプルを明示した市場規制、業者規制を行うべきとする考え方が台頭している。こうした考え方のモデルとなっているのは、イギリスの金融サービス機構(FSA)による規制の手法である。FSAは業者の行動原則などいくつかのプリンシプルを制定しているが、その内容は、極めて一般的なものとなっている。