日本で2001年10月から導入された比較的新しい年金制度のこと。企業の従業員を対象にする企業型の確定拠出年金が導入された場合、その企業の従業員には個別に口座が設けられ、その口座に企業が、あらかじめ定められた方法で決まる拠出金(例えば、定額や報酬の一定割合)をあらかじめ定められたタイミング(毎月)で積み立てを行う(拠出金は非課税)。口座に積み立てられた拠出金の運用は、従業員が自己責任で、企業から提示された複数の金融商品(元本保証がある商品や投資信託など)の中から選んで行う(運用益は非課税)。一方、企業は従業員に対して、投資教育や情報提供を適切に行う義務を負う。転職の場合、転職先に確定拠出年金があればそこに、転職先に確定拠出年金がなかったり、自営業者や主婦などになったりする場合は個人型(自営業者や勤務先に企業年金がない従業員が拠出・運用できる)の確定拠出年金に加入し、そこに積立金を移管できる。企業型の導入企業は1万1000社超(08年11月末)、加入者数は300万人超(08年10月末)に達した。アメリカでは1980年代から401(k)プランとして広く普及し、その加入者や資産規模などはすでに伝統的な企業年金(確定拠出に対して確定給付と呼ばれる)を大きくしのいでいる。2008年12月に発表された09年度与党税制改正大綱では、企業型において企業だけでなく新たに従業員も自ら拠出できること(いわゆるマッチング拠出、拠出金は一定限度までで所得控除)、また企業型と個人型の両方の拠出限度額を引き上げることが盛り込まれた。