深セン証券取引所の中国ベンチャー企業向け株式市場のこと。板はボードの意味。「自主創新(革新)と成長型創業企業」の資金調達支援を目的とし、中国版ナスダックとも呼ばれる。2009年5月1日に法律施行、同年10月30日より取引が開始された。ベンチャー企業育成重視の観点から中国では長らく創業板の創設が議論されており、大企業向けの上海証券取引所とは違い中小企業向けの役割を担う深セン証券取引所が、04年に中小企業板を設けていた。しかし、上場基準はメインボード(主板)と変わらず、ベンチャー企業向けの資金調達の場としての役割は不十分であったとされ、中国のベンチャー企業による海外上場の増加につながっていた。創業板の創設は、中国におけるプライベート・エクイティ投資(PE投資)の出口(エグジット、資金回収方法)不在という難点を解決することになり、海外のベンチャーキャピタルなどの中国進出が一層促進される可能性も高めよう。なお、取引初日の第1陣では28銘柄が、同年12月25日の第2陣では8銘柄が、ITや医療・保険、医薬・バイオなどの業種を中心にIPO(株式新規公開)を行ったが、低い上場条件のリスクや投資家の過熱ぶりなどに懸念を示す報道なども見られる。