アメリカの税制優遇付き(税法529条で規定)教育資金積立制度のこと。両親や祖父母が子や孫のために資金を個人口座に拠出して(多くの州で所得控除)積み立て、投資信託に代表される金融商品の中から運用先を選ぶ(運用収益は連邦税が非課税、州税も多くの州で非課税)。子や孫は大学などの高等教育機関に進学した場合、口座に積み立てられた資金を非課税で受け取り、入学金や授業料、テキスト代、交通費などに使える。アメリカでは大学への進学費用が長らく値上がりを続けており、中流階級にとって最も大きな悩みの一つだが、連邦・州政府はその負担軽減を目的に529プランの税制優遇措置の整備を1990年代以降に進め、オバマ政権も一層の拡充を目指している。イギリスでもチャイルド・トラスト・ファンドという税制優遇が付与された子供のための積立制度が2005年から導入されている。日本でも、高まる教育費の負担感が少子化の原因の一つとされていること、高齢世代に偏在する資産の次世代への移転を促す仕組みが必要であること、などから、529プランやチャイルド・トラスト・ファンドと類似の教育資金積立制度を求める声が出始めている。