アメリカで中堅・中小企業による新規株式公開(IPO ; initial public offerings)を通じた証券市場での資金調達の促進を狙って、2012年4月に成立した法律。売上高10億ドル未満の企業をEGC(emerging growth companies 直訳すると新興成長企業)と定義し、EGCがIPOを行う場合、1933年証券法及び1934年証券取引所法で従来求められてきた、情報開示や手続きに関する規制の一部を緩和する改正を盛り込んだ。同法成立の背景には、かつて世界最高水準を自負してきたものの、近年は低迷気味のアメリカのIPO市場の再活性化と、それに伴う中堅・中小企業の興隆を通じた雇用創出と経済成長の向上がある。90年代後半に年間400件前後だったアメリカのIPO件数は2000年代に激減し、08年以降は年間100件未満に陥った。また、特にIT関連企業や小規模企業においてIPOの減少が顕著とされた。大企業の不祥事などを契機に導入された規制が中堅・中小企業にとってのIPO費用増加をもたらしているといった批判などが専門家から提言されていた。日本政府も12年11月30日公表の「日本再生加速プログラム」で、アメリカのJOBS法を踏まえた規制の見直しを打ち出した。