投資家から広く集めた資金で、不動産投資専門の運用会社が、オフィスビルやマンション、ショッピングセンターなどの実物不動産に投資し、その賃貸収入や売却益などの収益から管理費や修繕費、金利などの費用を控除して残った利益の大半を投資家に分配する投資信託(不動産投資信託)。日本では2000年11月に施行された改正投資信託法によって、従来は主として有価証券でしか運用できなかった投資信託が、不動産などにも投資できるようになって始まった。アメリカではREIT(Real Estate Investment Trust)と呼ばれる同様の金融商品が以前より広く普及していたことから、日本版REITやJ-REITと呼ばれる。J-REITは会社型投資信託(投資法人)として組成されることで、そもそも換金性の低い実物不動産を投資対象にはするが、その株式(投資口)を証券取引所に上場することで流動性を確保できる。また、配当可能利益の90%超を分配するなどの一定の要件を満たせば、法人税が実質非課税となる投資法人のメリットも活用できる。一般的に、実物不動産への直接かつ分散しての投資には資金や情報分析などで大きな制約がある個人投資家に対し、専門家を活用し少額の投資資金でも実質的に同様の効果をもたらす機能を果たす。