環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の側面を重視して行う投資のこと。近年、欧米の先進国を中心に、年金基金などの機関投資家で拡大している。ESGの側面で評価できる企業は一般的に、短期的に大きな財務的成果を出すとは限らないが、高い持続可能性(サステナビリティー)による長期的な企業価値向上の実現が期待できるという考えに基づく。投資対象企業が企業の社会的責任(CSR ; Corporate Social Responsibility)を果たしているか、に着目して投資銘柄を選択する社会的責任投資(SRI ; Socially Responsible Investment)をさらに発展させたとも位置づけられよう。ESG投資の規模は、ヨーロッパでは7兆ドル(約622兆円、2009年末)、アメリカでは3兆7000億ドル(約329兆円、11年末)にも至る一方、日本では4000億円(約45億ドル、10年末)程度と言われる。日本のESG投資規模が小さい理由には「ESG投資が本当に高い運用実績に結びつくか」について、実証分析に基づく専門家の見解が必ずしも一致していないこともあり、投資家の間に十分なコンセンサスが形成されていないことがあるようだ。ESG投資と従来の投資評価手法とを組み合わせることが重要だ、との専門家の意見もある。