2014年2月26日に、金融庁に設置された日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会が公表した、責任ある機関投資家の七つの原則のこと。イギリスで機関投資家による投資先企業に対する関与のあり方として既に策定されているスチュワードシップ・コードを参考にしながら取りまとめられた。同検討会は、機関投資家が、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づく建設的な、目的を持った対話(エンゲージメント)などを通じて、その企業の価値向上や持続的成長を促すことにより、顧客や受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図ることをスチュワードシップ責任と位置づけ、日本版スチュワードシップ・コードは機関投資家が顧客・受益者と投資先企業の双方を視野に入れ、そうした責任を果たすに当たり有用な原則と結論づけた。なお、当コードの実施に法的拘束力はないが、実施しない場合には理由を説明すべき(コンプライ・オア・エクスプレイン)とされる。機関投資家が適切にスチュワードシップ責任を果たすことは、経済全体の成長にもつながるとし、第2次安倍政権が創設した日本経済再生本部と同本部下の産業競争力会議での議論を経て、日本再興戦略でコードの検討と13年内取りまとめが閣議決定されていた。なお、スチュワードシップは元来、委託された物事を責任を持って委託者(受益者)のために管理するといった意味である。