自国で承認された投資信託が、他のアジア諸国でも手間のかかる登録手続きなどを経ずに現地規制当局からも承認され、販売ができるようになるという制度構想。2013年9月にオーストラリア、韓国、ニュージーランド、シンガポールの4カ国が創設のための趣意書に合意した。ヨーロッパにUCITS(Undertakings for Collective Investment in Transferable Securities)と呼ばれる同様の制度があるが、そのアジア版と言えよう。09年11月に、投資信託大国を自負するオーストラリアがそのノウハウやインフラなどをアジア諸国に輸出し、国際金融センターとして台頭することを狙って提唱した。パイロット・プログラムの実施を経て、16年1月から参加国間で本格的な運営が開始される予定である。同構想への日本の参加の是非は、現時点では何も明らかになっていないが、追随して参加するアジア諸国が増える可能性もあり、その場合、日本の参加のメリット・デメリットを明確に判断する必要性も生じよう。