証券取引の決済において、売買の売り手と買い手の間に入り、決済の履行を保証する機関。具体的には、証券取引の執行後、取引を照合し、決済日に受け渡す証券と支払われる資金の金額を確定する役割を担う。CCPが証券取引を介在することで、市場参加者は取引相手の債務不履行のリスクを負わずに取引することが可能となり、信用リスクに応じて必要となる資本や証拠金の節約につながる。リーマン・ショック後の世界的な金融危機では、特に清算されない店頭デリバティブ取引の実態を当局が十分に把握できなかったことや、金融機関の間に未清算の取引が積み上がっていたことが、危機を拡大させたとの指摘があり、G20サミットにおける金融制度改革の議論を経て、その後の規制強化では店頭デリバティブ取引のCCP決済の義務化が進められている。足元では、金融市場インフラであるCCPにリスクが集中しつつあることから、CCPのリスク管理や秩序立った破綻処理のあり方についても検討されている。