日本の代表的な株価指数であるTOPIX(東証株価指数)は時価総額加重平均型であるが、スマートベータは時価総額以外の基準を重視して構成銘柄や組入比率を決める。具体的には、売上高や株主資本などの企業の財務状況に応じて構成比率を決定するファンダメンタル・インデックス、ポートフォリオのリスクが最少になるように構成比率を決定する最小分散インデックス、リスク調整後のリターンが最大になるよう構成比率を決定するシャープレシオ最大化インデックスなどが、代表的な株式のスマートベータである。非常に広範囲にわたるインデックスが分類されるが、スマートベータはファクターへの投資、非時価総額加重方式による指数の算出、ルール・ベースの運用という三つの特徴を有する。近年、欧米の年金基金をはじめとする機関投資家は、主に既存のポートフォリオのリスク分散の観点からスマートベータを組み入れている。また、ETF(上場投資信託)などの連動指数として採用され始めており、個人投資家にも普及し始めている。