イスラム教の教義である「シャリーア(イスラム法)」に則して発行される債券。イスラム金融の債券とも呼ばれる。近年では中東とアジアのイスラム教諸国を中心に急速に普及しており、重要な資金調達・運用手段となってきている。イスラム金融では「利子」の受け払いが禁止されているため、その代わりに取引や裏付資産から発生する「利益配分(配当)」や「手数料」を用いて、スクークの仕組みを構築しなければならない。一般的なスクークの場合、資産または事業プロジェクトの持ち分が裏付けとなり、対象資産・プロジェクトから発生する収益が一定期間配当として投資家に支払われる。そして、満期日に資金調達者または第三者に対象資産・事業を売却することによって元本が投資家に返済される。したがって、スクークは、実質的に通常の債券と同等の経済的機能を持つ一方で、金利系の金融商品である通常の債券と異なり、「出資証券」に近いものであると言える。