ヨーロッパで銀行に関する政策を幅広く統一する取り組み。ユーロ圏では、世界的な金融危機において、ソブリン危機と銀行危機が負の連鎖となったことから導入が進められている。銀行同盟は、単一監督制度、単一破綻処理制度、預金保険制度の統一、の三つの柱で構成される。単一監督制度は、ユーロ圏各国当局の銀行監督権限を欧州中央銀行(ECB)に集約するもので、2014年11月3日から実施されている。ECBが直接監督するのは120行で、残りの約6000行はECBから監督権限の委譲を受ける形で各国当局が担う。単一破綻処理制度は、単一破綻処理基金を創設し、ECBによる破綻処理の可能性の判断に基づいて単一破綻処理理事会が破綻処理を進めることを可能とする制度である。預金保険制度は、各国で積み立てられた資金を統合するものであるが、各国からの反発もあり、一部の議論は先送りとなっている。三つの柱から成る銀行同盟の導入・運用は、ユーロ圏の金融市場を単一市場として機能させる上で必要な制度とされている。