老年学を意味するジェロントロジーとファイナンス(金融)を組み合わせた学問領域のこと。ジェロントロジーの分野では、加齢に伴う変化が本人・家族・社会に与える影響や課題について医学・生理学・社会学・心理学など学際的な研究が行われているが、フィナンシャル・ジェロントロジーでは金融や資産管理の観点からそれらの領域に横串をさす。平均寿命が長期化する中、健康寿命を伸長することについての重要性が指摘されているが、フィナンシャル・ジェロントロジーは、資産寿命の伸長という概念を新たに追加する。具体的な研究内容には、認知機能の低下が金融取引の判断や金融リテラシーに及ぼす影響などが含まれる。こうした研究は、高齢投資家保護などの観点から重要性が高いと考えられる。世界に類を見ない速度で高齢化が進行している日本においても、研究を進展させ、知見や成果を早急に蓄積させていくことが必要な分野であるといえる。