個人の目標(ゴール)を設定し、目標達成に向けて資産などを管理していく資産管理の手法のこと。個人の目標とは、具体的にはリタイア後の持続的な生活、子供の教育、趣味、相続などである。手法の特徴としてあげられるのは、株式指数など一般のベンチマークに基づく画一的な投資方針ではなく、個人の経済・社会活動のイベントに備えるという資産管理上の目標をいかに達成していくかを主眼としていることである。例えば住宅購入の頭金を投資のゴールとして、個人のリスク許容度を考慮した上で、投資期間や地域及びリスク資産への配分比率を決定する。日本では、退職金などの規模の大きな資産をいかに管理・運用していくかについて個々人で十分に準備されているとはいえない。また人の投資行動に非合理性が存在することもゴールベースの資産管理を妨げる要因となっている。ゴールベース資産管理の手法は、行動ファイナンスの研究成果を活用しながら、投資アドバイスによってこれらの障害を回避していくことを目指しているといえる。