グリーンボンドとは、投資家から調達した資金の使途が、グリーンプロジェクト(再生可能エネルギーや環境保全等、環境問題の解決に資する事業)に限定される債券のこと。民間資金をグリーンプロジェクト推進に活用する仕組みとして注目されている。発行体は世界銀行や国際金融公社等の国際機関、地方公共団体や金融機関等、様々である。日本では、日本政策投資銀行等での発行事例があるほか、東京都が発行に向けた取り組みを進めている。グリーンボンドへの投資には、経済的リターンに加えて、気候変動リスクに対するヘッジやグリーンプロジェクトに投資を行っていることを社会にアピールできるというメリットがある。さらに、グリーンボンドは株式や債券等の伝統的資産との価格変動の相関が低いことから、オルタナティブ投資の側面も有しており、分散投資によるリスク低減効果が期待できる。一方で、利回りが低かったり、発行額が小さいために流動性が低かったりすることがある。また、グリーンプロジェクトの解釈や環境改善効果等の評価の仕組みの明確化や、資金使途の透明性の確保といった点が市場規模拡大にあたっての課題となっている。