太陽光発電施設や港湾施設といったインフラを投資対象とするファンドであり、証券取引所に上場することで多様な投資家によって持ち分が売買される。アメリカの代表的な上場インフラファンドであるマスター・リミテッド・パートナーシップ(MLP)は、主にエネルギー関連資産を運営する上場パートナーシップであるが、1980年初頭に誕生し、長い歴史を有する。アメリカにはMLPの他に、再生可能エネルギー関連資産を運用対象とするREIT(ソーラーREIT)や、再生可能エネルギー事業を営む株式会社であるイールドコ(YieldCo)等の多様な上場インフラファンドが存在する。一方、日本では東京証券取引所が上場インフラファンド市場を開設し、2016年6月に第1号の上場案件が実現した。政府の成長戦略の一環として、官民連携の手段を利用したインフラ更新・再開発の推進が期待される中、上場インフラファンド市場の整備は、既存インフラ施設の売却・投資回収を通じて、開発等に活用すべき資金のフローを生み出すことが期待される。また、約1700兆円に達する日本の個人金融資産の効率的な運用を担う市場になることが望まれている。