中央銀行が政策金利を0%よりも低い水準に設定する政策。一般的には、民間銀行が中央銀行に預け入れる預金にマイナス金利を付す。そのため、個人や企業が民間銀行等に保有する預金や民間銀行からの融資にマイナス金利が適用されるとは限らない。民間銀行には中央銀行に保有する預金を貸し付けや証券投資に振り向けるインセンティブが生じるため、同政策によって実体経済に資金が供給されやすくなり、経済活動の活発化や物価上昇につながることが期待される。ヨーロッパではスイスやデンマークが既に導入しており、日本でも日本銀行が2016年1月の金融政策決定会合で同年2月から「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」を導入することを決定し、金融機関が保有する日銀当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用した。同年9月には「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」への変更を決定し、日銀当座預金の一部へのマイナス金利適用に加え、10年物国債金利については0%程度で推移するように長期国債の買い入れを行い、短期及び長期の金利水準を操作する政策を導入している。