IMF(国際通貨基金)は2005年12月からCurrency Composition of Official Foreign Exchange Reserves(COFER)とよばれる統計を公表し始めた。これは、IMF加盟国から自発的に外貨準備構成を報告してもらい、集計の上公表するもので、従来は年1回IMF年報に掲載されてきたが、新たに四半期統計が発表されるようになった。通貨分類は、米ドル、ユーロ、円、イギリスポンド、スイスフラン、その他に分かれている。この統計に報告しているのはすべての先進国24カ国と160の途上国のうち90カ国の計114カ国であるが、個別国の数値は非公表で、先進国全体と途上国全体だけが内訳として公表されている。統計で通貨構成が開示されている部分は、08年9月末の外貨準備合計6.9兆ドルの63%であるが、途上国が保有する5.4兆ドルについては53%しか開示されておらず、特に世界最大の外貨準備を保有する中国のデータが漏れていることが、分析上大きな制約となっている。アメリカ以外の政府が保有する外貨は、従来、おもに米ドルで運用されてきた。しかし近年のアメリカの国際収支赤字累増から、ドルの先安懸念が強まり、外貨準備の運用をドル以外の国際通貨にシフトする動きが見られる。