IMF(国際通貨基金)は、外貨準備の枯渇や海外からの資金調達の困難化で、対外支払いが滞りそうになった国に対し、普通3年程度の貸し出しを行うことにより、支援を行う。この場合、IMFは貸出資金を確実に回収するため借入国の政策運営に対して条件を付け、貸し出しを行う際には貸出実行を数回に分割して、政策運営の条件が満足されることを確認しつつ貸し出しを行っていく。この政策運営に対する条件が、IMF貸し出しのコンディショナリティー(conditionality 貸出条件)である。通常IMFは、貸出先の国に対して金融政策の引き締めによる金利の引き上げと、財政支出の削減や増税による財政引き締めを要求するほか、経済構造に問題があると考える場合には、構造改革も条件としてきた。しかしアジア通貨危機は、国内金融システムの危機をともなっており、一部の国ではIMFにより課された金融引き締めが資産価格の低下や金融機関の破たんを招き、クレジット・クランチをさらに悪化させた。このためIMFのアジア諸国に対する処方箋は厳しく批判されIMFの貸出条件の見直しが行われている。