為替レート変動が、輸出入に及ぼす影響を分析する場合には、自国通貨と他国のすべての通貨との間の関係全体を把握する必要があるが、そのために用いられる名目為替レートの加重平均値を実効為替レート、また実質為替レートの加重平均値を実質実効為替レートとよぶ。加重平均の計算方法やウエートは、分析の目的によって異なり、たとえば為替相場変動と輸出の関係の分析においては、当該国の輸出先ウエートが用いられることが多い。実効為替レートは、その計算の目的により、輸出に与える影響を見るもの、輸入に与える影響を見るもの、貿易収支に与える影響を見るものなどがあり、IMF(国際通貨基金)や主要国の中央銀行が発表している指数、日本経済新聞が発表している指数などがある。実効為替レートは、ある通貨のほかのいくつかの通貨に対する名目為替レートを加重平均したものであるが、国際競争力を決めるのは名目為替レートではなく実質為替レートであることを考えると、一国の国際競争力を見るには、実質為替レートの実効レートを計算する必要がある。この実質実効為替レートは、日本銀行がそのホームページで輸出ウエートを用いて計算した指数を公表している。