1960年に設立された、先進諸国の経済政策の協調・調整のための国際機関で、パリを本部としている。日本は64年に加盟。OECD加盟国は国際投資に対する自由化義務を負う。
OECDでは、年2回の経済見通し(OECDエコノミック・アウトルックとして公表)作成の過程で、経済政策委員会(EPC)等の会議を開き、各国政府代表の間で政策の相互調整を行っている。また原則として年1回、事務局が各国の経済運営とその問題点をまとめた国別レポートを作成し、これをベースに経済動向審査委員会(EDRC)で、加盟国が相互に経済運営を審査しており、このレポートは、OECDエコノミック・サーベイとして公表されている。このほか、国際的な課税に関するモデル条約、「資金洗浄」(マネーロンダリングともよばれ、麻薬取引など非合法活動によって得た資金を公然と使える資金に見せかける活動)防止のための対策、先進国の失業問題などについて、国際協議の事務局および先進国のシンクタンクとして活動している。
OECDは、80年には24カ国の加盟国により構成されていたが、90年代に入りメキシコ、チェコ、ハンガリー、ポーランド、韓国の5カ国が加盟、さらに2000年にはスロバキアが加盟し、07年8月現在で30カ国となった。OECDは07年5月にロシア、チリ、イスラエル、スロベニア、エストニア5カ国と加盟交渉を開始したほか、中国、インド、インドネシア、ブラジル、南アフリカを関係強化国に指定して、将来の加盟も視野に入れてOECD加盟国との連携を深める方針を取っている。