2000年以降の世界経済を特徴づける現象の一つ。コールレート、短期預金金利、短期貸出金利、短期国債金利、長期国債金利など各種の実質金利は、先進国各国において、いずれも1990年あたりをピークに低下傾向を続けており、その傾向は2000年以降顕著となり、一時期、ほとんどの金利が経済成長率を下回るようになり、世界バブルの出現とその後の崩壊から金融危機にいたるプロセスに大きく影響を与えたとされる。歴史的低金利の原因は大きく二つ考えられる。まず、アメリカ、日本、ヨーロッパなど主要国による継続的な金融緩和政策である。次に、各国で貯蓄が投資を上回り始め、世界的規模で過剰貯蓄が生じたことである。中国の貯蓄率の増加やアジア危機以降の東アジア各国の投資の減速のその原因を求める見方が有力である。