2000年以来のアメリカの経常収支赤字が、GDP比で5~6%と巨額に達した現象を指し、グローバル・インバランスとも呼ばれる。定義式から、「経常収支=貯蓄-国内投資」と表され、アメリカの経常収支の赤字は、アメリカにおいて、「貯蓄―投資バランス」がマイナス、つまり投資過剰を意味しており、裏を返せば、アメリカ以外の諸国において、「貯蓄―投資バランス」がプラス、つまり貯蓄過剰を意味している。もし投資の水準が国家間でほぼ同一であるとすれば、貯蓄率の違いが経常収支の動きに大きな影響を与えることになる。実際、アメリカの低い貯蓄率と中国を含めたアジア諸国の高い貯蓄率が、両地域間における経常収支の不均衡というものを、見事に説明している。アメリカのベン・バーナンキFRB(連邦準備制度理事会)議長などは、中国をはじめとするアジア諸国の貯蓄過剰が、経常収支不均衡の原因であると強く批判している。