2009年末、ギリシャ当局が財政赤字の額を隠蔽していた事実が発覚したことが契機となって、ギリシャ国債の価格が暴落し、財政破綻に追い込まれた現象をさす。当初、財政赤字は、GDP(国内総生産)比で3%と公表していたが、実は13%にのぼることが明らかとなった。債務残高のGDP比も100%を超える。ギリシャ国債の約70%は、ギリシャ国外のヨーロッパの金融機関が保有していたために、ギリシャの財政危機はヨーロッパ全般の銀行危機に波及し、さらには共通通貨ユーロの大幅下落をもたらし、将来の基軸通貨と期待されたユーロの信任を著しく損ねる結果となった。10年の5月に、欧州連合(EU)は、国際通貨基金(IMF)と協調して3年間で総額1000億ユーロ(約11兆円)を超える融資を決定し、危機は一応の峠を越えたかにみえる。また、ギリシャの財政危機を契機に、同じように財政状況が悪いポルトガル、イタリア、スペインの国債も下落し、ヨーロッパ全体での財政不安がクローズアップされた。