国家のリスクの意味であり、銀行などの金融機関が外国の政府に融資した時のリスク、つまり国債の信用リスクをさす。カントリーリスクとほぼ同義だと考えていい。政府債務残高や財政赤字の規模が大きくなると、国債の支払い能力の低下から、ソブリンリスクは高まる。ソブリンリスクが高まると、国債市場の需給が悪化し、国債価格が下落して利回りは上昇する。そしてこの利回りの上昇が、国債費の増加から当局の財政運営を圧迫し、さらなる国債の支払い能力の低下をもたらす。2009年のギリシャの財政危機以降、最近、ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインの4カ国は、財政状況の悪化から国債価格は下落し、ソブリンリスクが取りざたされている。このヨーロッパ4カ国は、財政状況が悪い国の総称として、まとめてPIGSと呼ばれる。さらにこれらの国にアイルランドを加えてPIIGSとする呼びかたもある。日本においては、国際的にみて異常に高い政府債務残高(対GDP比)の大きさから、ソブリンリスクが高まる可能性がささやかれている。