心の健康のこと。近年、企業の組織再編等の進行にともない、業務の質的・量的な変化により心身に過重な負担がかかり、「心の病」を抱えている労働者が増加している。例えば、厚生労働省の「2010年労働安全衛生基本調査」によると、メンタルヘルス上の理由により連続1カ月以上休業した労働者がいるとした事業所の割合は5.9%と、5年前の調査(2.6%)の2倍以上に増えている。また、メンタルヘルス上の理由により退職した労働者がいるとした事業所の割合(新規調査事項)は2.8%、そのいずれかがいるとした事業所の割合は7.3%(事業所規模1000人以上では89.1%)となっている。こうした事情から、精神障害による労災補償請求件数等も多くなっている(2011年度の請求件数は1272件、決定件数は1074件、うち支給決定件数は325件〔認定率30.3%〕となっている)。