就業規則で定められた所定内労働時間と、早出・残業・休日出勤などの所定外労働時間との合計。日本の常用労働者1人当たりの年間平均総実労働時間は、1960年の2432時間をピークにその後傾向的に減少し、70年代後半から80年代半ばまでやや微増の傾向があったものの、90年代はほぼ一貫して急速に減少した。90年代の減少傾向は、週休2日制の普及を主因とする所定内労働時間の減少と、90年代前半の所定外労働時間の減少によってもたらされた(2012年の1人当たり年間総実労働時間は1765時間)。なお、1990年代初頭における所定外労働時間の急激な減少は、旧労働省による労働時間短縮政策の影響が極めて大きい。日本の場合、国際的にも総実労働時間が長いと言われる。理由として指摘されるのは、年間の出勤日数が多いことであるが、労働時間の国際比較が可能なのは、製造業生産労働者(ブルーカラー)に限られている。